2009年以来3度目の優勝を果たし、大いに盛り上がりを見せたWBC第5回大会。優勝に導いた選手たちが今シーズンどのように活躍するのか楽しみの一つですよね!
歴代のWBCに出場してそのシーズンに大活躍する侍ジャパンメンバーもいますが、一方で急ピッチ調整の反動か、シーズン中に成績を落とすメンバーも少なくありません。
そこで今回はWBCに出場しながらもそのシーズンに成績を落としてしまった選手4名をご紹介します。
山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)
- 2017年シーズン成績:143試合、打率.247、130安打、24本塁打、78打点、14盗塁
山田哲人は2017年3月に開催された第4回WBCでは、侍ジャパンのリードオフマンとして出場し、打率.296、2本塁打、5打点、3盗塁と活躍をしましたが、そのシーズンでは前年までの活躍は見せられませんでした。
2010年ドラフト1位で履正社高校からスワローズに入団し、2013年シーズンからセカンドのレギュラーに定着します。2015年には打率.329、38本塁打、100打点、34盗塁、出塁率.416を記録し、トリプルスリーを達成。さらに打撃3冠(本塁打・盗塁・出塁率)とMVPにも輝きました。2016年にはNPB史上初となる2年連続トリプルスリーを成し遂げ、WBC第4回大会に侍ジャパンのメンバーとして選出されました。
WBCでも活躍を見せ、前人未到の3年連続トリプルスリーを狙ったレギュラーシーズンでは、開幕から打撃不振に苦しみます(例年春先は調子が上がらないのが山田哲人の特徴とはいえ、この年は例年以上に苦しみました)。夏場にはやや調子を戻したが、最終的に打率.247、24本塁打、78打点、14盗塁と、本領発揮とはならず、悔しいシーズンとなりました。
渡辺俊介(千葉ロッテマリーンズ)
- 2006年シーズン成績:23試合(147回)、5勝11敗、105奪三振、防御率4.35
“ミスターサブマリン”の愛称で親しまれた千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介はWBCに出場したシーズンで大きく成績を落とした選手の1人です。
2000年にドラフト4位でロッテに入団するとプロ1年目から13試合登板で2勝、防御率2.66とまずまずのデビューを果たしました。2003年に先発ローテーションへ定着すると、2005年には23試合(187回)を投げ、15勝4敗、防御率2.17とキャリアハイの数字を残しました。そしてWBC第1回大会に侍ジャパンのメンバーに選出。3試合(13回⅔)を投げ、防御率1.98と安定した投球を見せ、初代チャンピオンに貢献しました。
しかしレギュラーシーズンでは一転、不安定な投球が続き、最終的に23試合(147回)を投げ、5勝11敗、防御率4.35、そしてリーグワーストの14与死球を記録するなど、制球面でも苦しんだ1年となりした。
小松聖(オリックス・バファローズ)
- 2009年シーズン成績:17試合(91回1/3)、1勝9敗、74奪三振、防御率7.09
2008年シーズンに新人王を獲得し、大ブレイクを果たしたオリックス・バファローズの小松聖は2009年のWBC第2回大会では好投を見せたが、レギュラーシーズンでは不本意な成績に終わった選手です。
2006年大学生・社会人ドラフト希望枠で即戦力として期待されながらオリックスへ入団。プロ2年目の2008年に先発へ転向すると、大ブレイクを果たします。36試合(172回1/3)を投げ、15勝3敗、防御率2.51の好成績を残し、新人王に輝くと、侍ジャパンに初選出されます。大会での登板機会は1試合のみだったが、韓国を相手に2回⅓、5奪三振無失点の好リリーフを披露しました。
その年の開幕投手に抜擢されますが、開幕戦で打ち込まれると、その後も不安定な投球が続き、最終的に17試合の登板、1勝9敗、防御率7.09と大きく低迷しました。その後のキャリアでも、2008年シーズンの輝きは取り戻せないまま、2016年に現役引退しました。
石川歩(千葉ロッテマリーンズ)
- 2017年シーズン成績:16試合(97回1/3)、3勝11敗、73奪三振、防御率5.09
千葉ロッテマリーンズの石川歩は3年連続2桁勝利を記録し、2017年のWBC第4回大会に出場したシーズンはキャリアワーストの成績となりました。
2013年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団し、ルーキーイヤーから10勝を挙げて新人王に輝くと、2016年には23試合(162回1/3)を投げ、14勝5敗、防御率2.16と素晴らしい成績を残し、最優秀防御率のタイトルを獲得しました。
その活躍が評価され、2017年3月に開催されたWBC第4回大会には、侍ジャパンに選出されました。大会では1次ラウンド、2次ラウンド初戦の先発マウンドを任されましたが、計7イニングで6失点と結果を残すことができませんでした。
レギュラーシーズンでも不調は続き、開幕6連敗。その後も不安定な投球が目立ち、最終的に16試合に登板し、3勝11敗、防御率5.09とキャリアワーストの成績となり、WBCで崩した調子を取り戻すことができない、苦しいシーズンとなりました。
最後に
超一流選手が揃う侍ジャパンでも例年とは異なる調整スピード、NPBの公式球ではない大会公式球を扱う、ということもあり、多くの投手が感覚が狂ってしまっていた印象です。打者も山田哲人のように超一流でも海外投手特有の動くボールなどで感覚が狂わされ、シーズンに影響が出る、ということがあるようです。
今年も今永昇太が再調整で出遅れているなど、シーズンオフの大会開催の難しさがでているようです。サッカーのように同じボールを使う、ということであれば投手の感覚が狂う、ということは少なくなるのでしょうが、実現はまだ先なのでしょうね。
とはいえ、いち野球ファンとしては国を背負った選手たちのガチンコ勝負が見られる国際大会は見ていてワクワクするので、頻繁に行ってもらいたいところです。